お片付けが上手くなる
お片付けが苦手なお子さんって多いですよね…散らかすのは得意だけど…どうやってお片付けを身につけていけばいいのか、いくつかポイントをご紹介したいと思います。
『片付けという言葉が嫌いにならないように』
「お片付け」という言葉を聞いてマイナスなイメージを持つ方はおられないでしょうか?「片付け=嫌な言葉」と認識してしまうと苦手になってしまう傾向があるようです。お片付けの強要をしてしまうと、「お片付け=嫌なもの」と認識してしまい、潜在的に嫌い、嫌なもの、苦手なものと認識してしまい、言葉を聞くだけで嫌悪感を抱く恐れがあります。
『教えるタイミング』
お片付けを教えるにはタイミングがあります。それまでは子どもの中に片付けという概念が全くなく、片付けを教えようとしても全く理解できない状態です。この時期にお片付けを無理に身につけさせようとして失敗してしまうパターンが多いのです。発達に合わせて、無理のない時期に無理のないお片付けから始めましょう。
片付けを教えるタイミングは、物を入れる動作が見られるようになったら始めましょう。子どもの発達には段階があります。なんでも物を引っ張り出す発達の時期があります。例えば、棚の中の物を全部出す、ティッシュを箱から引っ張り出すなど、「物を出す」ことが楽しい時期があります。この発達の時期に片付ける、つまり「物を入れる」という逆の動作を教えようとしても無理があります。入れるという動作が楽しいと思う発達になった時が、お片付けを始めるタイミングです。例えば、物を入れ始める。こっちの箱から違う箱に入れ替えることが楽しい。入れるという動作が楽しい。他には、身に覚えのないものが鞄に入ってたり…ゴミ箱の中になぜかおもちゃが入っていたり…何でこれがこんな所に入ってるの?といった経験はないでしょうか?こういった行動が見られるようになてきたらお片付けを教え始めるタイミングと言えるでしょう。
『ポイント』
①片付けを教えるタイミングに気を付ける。
早く始めたからといって、早く身に付くというものではありません。前述したように、お片付けを教えるタイミングを間違えないようにしましょう。
②片付けやすい環境をつくる
片付けには難易度があります。大人が思っている以上にお片付けは難易度が高いです。例えば、食器棚のお皿のように重ねて片付けるのは、お片付けを覚え始めの子どもには難しい作業です。重ねて片付けるのではなく、スペースはとりますが重ねず平たく片付けると子どもでも簡単に片付けることができます。
次に、一つのおもちゃ箱に全部突っ込むように片付けていませんか?片付けは綺麗にすることはもちろんのことですが、1番の目的は次に使いやすいように整理整頓しておくということです。例えば、お箸、スプーン、フォーク、ナイフなど、種類を分けずに一つの場所ににまとめて片付けると、次に使う時に困りますよね。やはり子どものお片付けも同じで、おもちゃの種類ごとに場所を決めて片付けることが重要です。
③具体的に説明をする
「お片付けしてきてね!」と言っても、これではなかなか伝わりません。大人がイメージして伝わるだろうと思って言っていることと、子どもが実際に理解していることにはギャップがあります。「このおもちゃをこの箱に中に入れてくれる?」など、具体的に言葉や行動で伝えることが大切です。
④常に綺麗な状態を保つ
まだお片付けの概念がないうちは、片付けは大人の役割です。しかも常に綺麗な状態を保つ必要があります。つまり、綺麗な状態を当たり前にして、散らかっている状態を非日常にしなければなりません。こうすることで綺麗な状態が気持ちいい、散らかっている状態は気持ちが悪いと思うようになり、自然と片付けたいという気持ちになります。これがお片付けを身につける上で一番基礎になる部分です。これが一番難しいかもしれませんね。
⑤声のかけ方
お片付けをしてくれた時の声のかけ方が重要です。お片付けをしてくれたら「ありがとう」「きれいになったね」「気持ちいいね」と声をかけることをお勧めします。本来は片付けは自分自身の問題であり、他人から評価される物ではありません。片付けを自分自身でしなければ、自分自身が困るのです。片付けを身につけるには、片付けを自分自身がして「きれいになって気持ちいい」という主体的な感情が必要です。誰かに褒められるためにするのではありません。目的が誰かに褒められるために片付けをするのであれば、例えば一人暮らしを始め、誰も褒めてくれる人が居ない環境になった時にどうでしょうか?いざ自立した時に、身についていないということもあり得るのです。
『最後に』
一番は「お片付け=嫌な言葉」にならないように、お片付けを強要しないことが大切です。初めは「お片付けしたいんだけどお手伝いしてくれる?」手伝ってくれたら「ありがとう」。手伝ってくれなかったら「じゃお片付けしておくね」。程度で大丈夫です。お片付けが嫌いになってしまわないように、ゆっくり、無理なく、簡単なことから初めていきましょう。